自立循環型住宅の簡単な説明です


  • 住宅のエネルギー消費量(CO2排出量)を2000年頃の標準的住宅に対して50%にすることを目標としています。



   具体的には、以下のような方針での検討を行います。

  •   ・地形や気候に配慮した計画を行う
  •   ・極力自然エネルギーを利用する
  •   ・建物のつくり方にも十分配慮する
  •   ・設備機器の選択にも注意する
  •  国交省国土技術政策総合研究所と独立行政法人建築研究所により研究・開発が行われ、2010年までに十分実用化できる住宅としてガイドラインが示されています。また、設計をおこなった段階で、どの程度の省エネルギー化が計られたかを数値で示すことができます。以下に13技術要素について簡単な解説をします。
  •  あなたの家づくりにも「自立循環型住宅」の考え方を生かしてみませんか?

 省エネルギーと聞くと皆さんは冷房の電気代を削減する様なイメージを持たれるかと思いますが、実際に住宅で一番多くエネルギーが使われているのは給湯(29.4%)と家電(28.5%)なのです。その次が暖房(15.4%)となります。ですから、省エネルギーを考える際には、給湯、家電、暖房の順番に対策を講じる必要があります。
 オール電化では、深夜電力を使用しているため「お財布」には抜群に優しいですが、実際に使用されているエネルギーはそれなりに多く、決して省エネにはなっていません。逆にエアコンは、投入エネルギー(電気)より多くの熱を供給することができますので、暖房でのエアコン利用を検討することも省エネには役に立ちます。
 自然風の利用など、機械設備によるものではなく、間取りや開口の位置など、設計の最初に決まる内容によって、建物の性能が決まってきます。

ここで言うエネルギーは1次エネルギー消費量です。



自然風の利用


夏期夜間や中間期に外気を取り入れ、室内を涼しく保ちます。冷房エネルギーを10〜30%程度削減できます。
一つの部屋に2箇所以上の窓を設けるなどの工夫が必要になります。

昼光利用


昼間の明るさを住宅室内に取り入れ、人工照明の利用を減らします。照明エネルギーを2〜10%程度削減できます。

太陽光発電


日中に太陽光で発電を行い、住宅内で消費する電力を自己生産します。消費電力を29.3〜39.1GJ(ギガ・ジュール)程度削減できます。(東京の場合)。
昼間に発電した電気を蓄えておくことはできません。また売電費用だけで太陽電池費用を償却することは難しいようです。

日射熱の利用


冬期に開口部から日射熱を取得し、蓄熱して夜間に利用します。暖房エネルギーを5〜40%程度削減できます。
南向きの大きな開口と、蓄熱体が必要となります。木造住宅の場合、蓄熱体の確保が難しいところです(土間などを造らないといけない)。

太陽熱給湯


太陽熱を用いて給水を予熱し、給湯熱負荷を減らします。給湯エネルギーを 10〜30%ハ程度削減できます。
太陽熱温水器は、省エネ商品の中でも償却ができる優等生です。導入した住宅では、夏にはガス代が殆ど掛からない(調理用のみ)と報告されています。

断熱外皮計画


室内と室外の境界における熱の出入りを抑制し、暖房設備の依存率を減らして室温を確保します。部分間欠暖房の場合 暖房エネルギーを20〜55%程度削減 できます。
一定の断熱性能がなければ、せっかくの配慮も役に立ちません。気密化を嫌う向きもありますが、中間期には窓を開けてしまえば、気密はないのと同じです。

日射遮蔽手法


夏期や中間期に室内に侵入する日射を遮り、室内を涼しく保ちます。冷房エネルギーを15〜45%程度削減できます。
西側に大きな開口をつくならい、庇をきちんと設ける、シャッターやブラインドを効率良く使用するなど、日射遮蔽も間取りなどにも影響する大きなポイントです。

暖冷房設備計画


高効率な暖冷房システム・機器を選定、設計します。温水式床暖房+エアコン暖冷房の場合 暖冷房エネルギーを15〜25%程度削減できます
輻射熱で暖める床暖房は、快適性で優れています。

換気設備計画


要求性能に合った高効率な換気方式を選び、設計を工夫します。換気エネルギーを30〜60%程度削減できます。

給湯設備計画


適切な熱源方法を選定し、高効率な給湯設備を導入します。給湯エネルギーを10〜50%程度削減 できます。
エコジョーズなど、これまで捨てていた廃熱を利用する給湯器が比較的安価になってきています。

照明設備計画


適切な照明配置を行い、器具を選定します。照明エネルギーを30〜50%程度削減 できます。
最近ではLED電球が話題になっています。

高効率家電機器の導入


家電の買換時などに省電力化された家電機器を選定します。家電エネルギーを20〜40%程度削減 できます。
一年中使用している冷蔵庫の消費エネルギーは大きなものです。古い冷蔵庫を買い替えるほうが、断熱性能を上げるより省エネになります。

水と生ゴミの処理と効率利用


水の有効利用と排水・生ゴミの効果的な処理をはかります。節水型機器の利用により10〜40%程度節水 できます。
シャワーの手元止水やサーモ付き水栓などで、無駄使いを省きます。