間取りの変更も伴うリフォーム

 リフォーム工事を考えるきっかけはさまざまだと思いますが、既存の建物を大切に使ってゆきたいという気持ちがあるのは間違いないと思います。建物の経年劣化、設備機器の不良などにより、その部分だけをリフォームするという「部品取り換え型」のリフォームではなく、きちんと建物を診断して、これからの暮らしを快適にしてゆくためのリフォームができれば良いと思います。
 
 小規模なリフォームであっても、その部分の壁を耐震補強することにより、その後のリフォーム時に、他の壁を補強してゆくことで、何年かかけて建物の安全性を高めてゆくことができます。そのような方法をとるには、建物の診断を適切に行い、快適性の向上に何が不足しているのかを見極める必要があります。
 
 もちろん、予算も大切なポイントです。胡桃設計では、予算にあった、温熱環境の改善提案や構造補強などのアドバイスを行っています。200万円での改装と1,000万円のリフォームでは、その目標も変わりますが、ベースとして、必ず行っておきたい工事もあります。設備機器が豪華になるだけではなく、本当に「やってよかった」、「快適性がずいぶんと良くなった」と感じていただけるリフォームを目指したいと思います。

床に増張り断熱を施工


 
断熱改修をメインとした工事
 
 エコポイント制度を利用して、断熱改修をメインとしたリフォームです。シングルガラスであった窓を全てスペースシア(真空ガラス)に取り換えるとともに、断熱材が一応入っていたのですが、床下への増し張り、部屋間の間仕切りからの漏気止めの設置などを行いました。
 施工前まで床からシンシンと底冷えして、暖房しても室温が上がらなかった家が、快適に過ごせるようになりました。またガラスに生じていた結露もなくなり、衛生的になりました。
 建物の見た目や使い勝手は変わりませんが、家全体が快適になったと評価していただきました。
  <エコポイント申請物件>
 
施工:水上建設(株)(八尾市)
 

改修前の状態


 
構造補強をメインとした工事
 
 中古住宅を購入した際に、耐震診断を行い、県の耐震診断・耐震補強工事の補助金申請を行いました。
 補助の申請は正直大変ですが、任意の耐震補強と異なり、行政のお墨付きが得られるという点では建築主の安心感はあると思います。
 実際には図面もない中での設計、施工になり、壁を外してみて初めて分かる状況に都度対応が必要になります。施工者と設計者の双方にノウハウと意見交換ができる関係がないと難しい工事になります。
 この物件では、構造補強を行うことが最大の目的でしたので、断熱補強は行っていません。
 
施工:(株)CH建築工房(宝塚市)
 

新設基礎の配筋


 
間取りの変更も行いながら
 
 使い勝手の悪い間取りを変更することを目的とした大規模なリフォーム工事です。基礎の新規打設などもあり、筋かいの位置変更なども伴う工事になりました。
 元の建物にも断熱材は入っていましたが、断熱材の性能が悪く、施工もラフであったために十分な断熱性能を発揮できていませんでした。断熱材も全て入れ替えて施工した結果、冷暖房の利きが非常に良くなったとのことです。
 また西日のあたる窓は小さく、南面の窓を大きくするとともに、建物全体に風が通る部屋の配置にしました。間取りが使い易くなっただけでなく、温熱環境の改善により、快適性の向上にもなりました。
 
 
施工:(株)コア建築工房(堺市)